イントロダクション:ゲームの基本情報とジャンル説明
『ハグシテ!どうぶつマンション』は、studio806によって開発・配信されているスマートフォン向けのゲームアプリケーションです。本作のジャンルは「マージパズル」を中心軸としながら、「その他パズルゲーム」「アクションパズル」さらには「アドベンチャーゲーム」といった複数の要素を組み合わせた独創的な作品となっています。
iPhone版とAndroid版は、いずれも2025年9月2日に正式リリースされました。基本プレイは無料で楽しむことができ、アイテム課金制を採用しているため、初めての方でも気軽にダウンロードして遊び始めることが可能です。
ゲームの基本的なプレイスタイルは、アイテム同士を合成することでマンション内をキレイに整えていくマージパズル形式です。ただし、単純なパズルゲームの枠に収まることなく、シュールな魅力を持つ可愛らしいドット絵で描かれた動物キャラクターたちとコミュニケーションを取りながら、建物の拡張を進め、物語の展開を味わえるパズルアドベンチャーとして、他にはない独自の世界観を作り上げています。

謎めいた世界観とストーリー展開
プレイヤーのもとには、ある日突然一通の謎めいた手紙が届きます。その手紙に導かれるように「ハグシテマンション」へと足を運ぶことになります。到着したマンションは老朽化が進んでボロボロの状態となっており、かつて台風によって大きな被害を受けた経緯もあって、管理事務所には人影もありません。加えて、建物内にはゴミや汚れが蓄積しており、そこに住んでいるはずの住人すらも姿が見えない謎に包まれた状況です。
プレイヤーには、荒廃してしまった「ハグシテマンション」を本来の姿へと修復していく使命が与えられます。新たな管理人またはオーナーという立場で、各フロアの部屋を一つ一つ丁寧に掃除していくことが求められます。

整備と探索が織りなす物語
マンションの修復作業を進めていく過程では、プレイヤーはシンプルなマージパズルに挑戦しながら、荒れ果てたマンションを少しずつリフォームしていきます。ミッションに取り組んで部屋の清掃作業に励むと、時折ではありますが簡潔ながらもストーリー要素が挿入され、それらを同時に楽しむことができる仕組みになっています。
ストーリーにおいて重要な役割を果たす要素として、プレイヤーはマンションのリフォームを推し進めながら、姿を消してしまった謎の動物「ハグシテ」の行方を追跡することになります。この作品ならではの独特な世界観には、「ハグシテ」としか鳴かないモモンガのような不思議な動物や、プレイヤーをアシストしてくれるオウムなど、個性的でクセの強いキャラクターが数多く登場し、物語に深みと華やかさを与えています。これらの魅力的なキャラクターたちとストーリーの進行が、本作品における大きな見どころとなっています。
マージパズルの仕組みと「ハグ」という概念

アイテムの合成作業(ハグ)と納品システム
本ゲームにおいては、同種類の道具を重ねて合わせること、つまりマージという手法によって道具をグレードアップさせ、ミッションで求められているアイテムを納品するのが基本的なゲームフローとなっています。
特筆すべき点として、公式の呼び方ではアイテムの合成作業を「マージ」という用語ではなく「ハグ」という独自の言葉で表現しています。この「ハグ」という行為を通じてアイテム同士を組み合わせることで、別の新しいアイテムへと進化させることができ、プレイヤーは必要となる道具やDIYアイテム、掃除用具などを生み出していきます。このシンプルで理解しやすいルール設計と直感的な操作性のおかげで、このジャンルを過去にプレイした経験があるユーザーにとっては非常に取り組みやすく楽しめるでしょう。高度な頭脳を必要とするような難解なパズルではなく、誰もがゆったりとした気分で様々なアイテムを作り出せるほのぼのとした雰囲気のゲームです。
整理整頓の欲求を刺激するワークフローシステム
マージパズル全体に共通して言えることですが、ゲーム進行のフローは整理整頓作業のようなワークフローに似た特徴を備えています。同じパズルというジャンルとして捉えると、やや地味な印象を受けるかもしれませんが、その地味さとは対照的に、整理したいという衝動が途切れることなく湧き続けるような魅力的な要素が組み込まれています。本作もその例に漏れず、プレイヤーはついつい時間の経過を忘れてアイテムのハグ(マージ)作業に熱中し、いつの間にかスタミナを完全に使い切ってしまうほどの中毒性を持っています。
さらに、パズルパートにおいては序盤の段階から複数種類の生産系アイテムを作成できるため、フィールド上のロックされている部分を解除しやすいというメリットが存在します。
ゆるふわな動物キャラクターたちと癒やしの管理人生活
本作品における最大の魅力のひとつは、登場する動物たちが持つ個性豊かさと愛らしさにあります。

唯一無二のドット絵グラフィックス表現
『ハグシテ!どうぶつマンション』に出てくる動物キャラクターたちは、ドット絵グラフィックスという手法で描かれており、これが作品の個性として強烈に印象に残る要素となっています。絶妙に力の抜けた動物たちのデザインは他に類を見ないものであり、少しシュールな本作品の世界観を形作っています。これらのどこか独特でありながら愛らしい動物住民たちと一緒に時間を過ごすことが、癒し系パズルゲームとしての基礎を築いています。
マンションの修復作業を進展させていくと、可愛らしい動物たちとの出会いが待っており、プレイヤーは幸福な気持ちに包まれます。本ゲームは、マンション修復系ゲームにありがちな悲惨な広告演出で注目を集めようとするような要素は完全に排除されており、癒される動物パズルゲームとして丁寧に構成されています。
マンションの拡張作業とデコレーション機能
ミッションの課題を達成していくことで荒廃していたマンションを修復することができ、一定の数を達成するとほのぼのとしたストーリーを読み進めることが可能になります。
物語が展開していくにつれて、当初は1階のみだったマンションが高層マンションへと成長していく過程も、本作の醍醐味のひとつです。プレイヤーは各階層に暮らす住民たちと親しくなっていく楽しみを味わえます。
さらに、本作品ではマンション全体や住民たちをオシャレにデコレーション(模様替え)する機能が実装されています。マンション全体の雰囲気だけでなく、背景画像の変更や石碑などの装飾品の変更も実施できます。デコレーション要素は課金による入手だけに限定されておらず、コツコツとダイヤを貯蓄して購入したり、期間限定で開催されるイベントで獲得できる施設も豊富に用意されています。イベントにおいては、住民たち専用のアバター衣装も交換可能となっており、これによって動物たちの可愛らしさにさらなる輝きを加えることができます。
プレイ体験における快適さと課題点
『ハグシテ!どうぶつマンション』は、ユーザーに配慮した親切な設計も高く評価されています。

広告表示の少なさと課金システムの仕組み
本作品は、ゲームプレイの最中にプレイヤーの没入感を損なわないよう配慮して、広告表示を必要最小限に抑制している点が喜ばしいポイントです。広告視聴によって得られるメリットも用意されていますが、多くのタイトルで画面の上部や下部に大きな広告バナーが表示されるケースが多い現状の中で、本作品における広告の少なさは相対的に際立っています。
また、本ゲームにはガチャシステムという要素が存在しません。そのため、リセットマラソン(リセマラ)も必要ないゲーム設計が実現されています。主な課金要素は、スタミナの回復や模様替えに使用できるダイヤの購入という形になっています。
スタミナとアイテム回復における課題
その一方で、残念だと感じられる点として、スタミナの制限が厳しめに設定されていること、そしてマージ用アイテムの回復時間(クールタイム)が全体的に長めに設定されていることが指摘されます。
最近のマージパズル作品では、序盤に登場するアイテムは数分程度で回復するケースが多い傾向が見られますが、本作品は全体的にクールタイムの長さが目立ち、序盤のアイテムであっても数時間の待ち時間が発生する場合があります。スタミナが完全に回復するまで待機してから集中的に遊ぶのが効果的な遊び方となりそうです。
また、アイテムの修復に要する時間が遅いという点はパズルゲームとして気になる部分ですが、スタミナの回復を待っている間に自然とアイテムも回復するという側面も持ち合わせています。一部のユーザーからは、個人的にはもう少しダイヤの入手機会が増えると嬉しいという声も上がっています。
総合評価と結論
『ハグシテ!どうぶつマンション』は、定番のマージパズルという内容を基盤としながらも、動物たちの可愛らしさとのんびりと進められるマンション開拓の要素によって、疲弊した心をふんわりと包み込んでくれる癒し系マージパズルゲームとして完成されています。
おすすめポイントと留意すべき点
ここがおすすめ!
心が癒される動物パズルゲームである点。 可愛らしさが抜群のマンション修復を楽しめる点。 オシャレなカスタマイズ(デコレーション)が実現できる点。 広告表示が最小限で、没入感が損なわれない点。 人によるかもしれない点(留意事項)
マージアイテムの回復速度が遅いと感じられる場合がある点。 一部のアイテムを一定数生産すると、数時間の生産待機時間が発生する点。
ターゲット層
本作品は、以下のようなユーザーに特におすすめできるタイトルです。
パズルジャンルが好きな人。 動物キャラクターが好きな人。 疲れた心を癒やしたい人、スローライフを満喫したい人。 ちょっとした隙間時間にまったりと遊びたい人。 独特の世界観と、シュールでありながら愛らしいドット絵の動物たちが紡ぎ出すマンション修復アドベンチャー。その雰囲気の素晴らしさは、数多くのパズルゲームの中でも抜きん出ており、ぜひ一度体験していただきたい作品です。
